眠りが浅いせいか、夢に元カレがでてきた。
なんとも目覚めの悪い朝を迎えた。
そのせいか、ふと元カレに言われた言葉を思い出した。
「別にお前とこれからずっと会えないとしても、俺の頭の中にお前が住んでるから全く寂しくない、大丈夫」
なぎこにとってその言葉は、何故か元カレにだけは言われたくない言葉だった。
何故かその言葉を聞いた瞬間、なぎこの中で築いてきあげたものが崩れたような気がした。
今思えばこの元カレの発言は、彼なりの申し訳なさのような言葉だったのだろう。
交際時は、色々と不安定なことが多く、仲良くても次の日は喧嘩することもあった。
不安定な原因は元カレの複雑な状況のせいと、なぎこの弱さのせいでもあった。
元カレ的には、複雑な状況でもなぎこが傍に居ることに対する申し訳なさからきた言葉。
辛いだろう、だからいつでも別れたかったら別れたいと言ってくれていい、俺のことは気にするな、という意味合いが含まれた言葉だったのだろう。
けどなぎこにとっては、そういう想いが含まれていても、言って欲しくはなかった。
嘘でも「寂しい」「お前が本当に必要なんだ」とか、何かなぎこ自身を必要としてくれる言葉を発して欲しかった。
何だろう、あの言葉を聞いた瞬間、なぎこが元カレといる意味が失われたような感覚に陥いった。
何もかも意味を求めていた訳では無い。
ただ複雑な状況の中でも、一緒に長く居るための努力が報われなくなった気がした。
なぎこが居なくても元カレはなぎこのいない日常に平気で戻れる、ことを思い知ったようだった。
必要とされてないと分かる瞬間、恋が冷める。
という言葉を何かでみかけた。
あながち間違いではない気がする。
なぎこの誕生日前日にお別れをした。
正直なぎこと別れて正解だ。
なぎこが勝手に決めつけるのもどうかと思うが、なぎこと居ない方が元カレにとって断然幸せである。
だって時々見かける元カレの表情は、なぎこと居た時よりもいきいきした顔をしている。
なぎこが1番好きな子どものような無邪気な顔をしてるもん。
本当になぎこがいなくても大丈夫そうだね。
その顔みれてよかった。
別れたかいがあったよ。